「成長」に関する大事な考え方

今日は「成長に関する大事な考え方」というテーマでお話したいと思います。

自分はダメだとすぐに諦めてしまう人や、結果に対してすぐに怒ってしまうお母さんやお父さん、上司の方々には知っておいてほしい内容です。

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▼ 成長を感じる時ってどんな時?
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突然ですが、皆さんが成長した!と感じる瞬間はどんな時ですか?

お子さんの場合は、できなかったことができるようになった時、テストの点数が上がった時、先生やお父さんお母さんに褒められた時、部活の試合で勝った時、色々考えられますよね。

大人の場合でも、できる仕事が増えた時、仕事の成果が出た時、上司に褒められた時、何かしらの賞を受賞した時など、同じようなことが多かったりします。

これらは基本「結果ありき」の感情です。できるようにならなかったら、テストの点数が上がらなかったら、親に褒められなかったら、試合に勝てなかったら、これらの経験から成長を感じられる人は多くないと思います。

このタイミングで自信をなくしたり、やる気をなくしたり、なんでこんな点数を取ってくるんだと怒りをぶつけてしまう人がいたりしますが、そういう人たちを見て「成長」との向き合い方が若干ずれてるなぁと感じます。

成長の仕方を理解して、自分と、子どもと正しく向き合っていけるように頑張りましょう。

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▼ 成長はある程度まで直線的でそれ以降は段差的
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ピアノの練習に例えてみます。

始める前は右手と左手がばらばらに動くなんて、と思いながらも音が出るだけで楽しいなぁなんて思いながら練習が始まります。

最初はドレミファソラシドが右手で弾けるようになったり、それを左手で弾いてみたり、簡単な曲を弾いてみたり、少しずつできることが増えてくのが楽しくて時間を忘れて練習するでしょう。

ただ、しばらくやっていると少し難しい曲になって中々簡単に弾けるようにはなりません。何回やっても同じところで詰まり、音楽にハマらない子はここで挫折してしまいます。それでも何度も何度も同じことを繰り返し練習していると、ある時いつも詰まっていた場所で詰まらずに弾ける瞬間がきます。

ピアノに限らずこういった瞬間を感じたことがある人は多いのではないでしょうか。これが成長の瞬間です。(この瞬間って最高に嬉しいですよね)

成長は、ある程度までは直線的に比例して成長しているように見えますが、ある一定の所まで来ると段差的、つまり努力しても報われない期間が出てきます。それでもやめずに頑張っていると、ふとコツを掴んで成長を感じることができるんですね。

頑張ったのに結果が出なかったのは、まだその段差を超えられていないだけなのに、自分はもうダメだとか、親に怒られてやる気なくしたと言って、頑張ってきたそのものをやめてしまうと結局元通り。これではいつまで経っても結果なんて出ません。

本当に大切なことは、結果が出なかった時にやっていることは間違っていないのか、もう少しで段差を超えられるのか、それを確認して微調整、つまり改善していくだけだと思っています。

一度段差を乗り越えると、うまくいかない期間があっても頑張れる人になり、やっていることは間違っていない、今は段差を乗り越えようとしている期間だから大事なことはやめないことだ、と考えて努力をやめません...と、そんな都合よく考えられたら苦労はしないですよね。実際はもがき苦しみながら努力していることがほとんどだと思います。

ただ、もがき苦しんでも努力をやめない子とそうでない子の差は、その段差を乗り越える瞬間を知っているか知っていないかの違いだと思うので、結果が出ずに落ち込んでいる子がいても怒らずに、頑張れた部分と改善した方がよい部分を一緒に考えてあげてくださいね。

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▼ 隣の芝生が青くみえる理由
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最後に成長に関する部分で押えておいた方がよいことをお話したいと思います。

「隣の芝生は青く見える」という言葉がありますよね。あの家の子は勉強ができて羨ましいわ、うちの子なんて他の子と比べて全然ダメだわ、など他人を見て羨ましがってしまうという意味の言葉です。

これを感じてしまう理由は明確にあって、答えは「毎日一緒にいるから」です。

自分の子どもとは基本毎日接しますよね。自分自身とはそれこそ四六時中一緒にいることになります。

先程の段差的に成長することを考えると、毎日一緒にいるということは報われない期間を見ることの方が多いということです。

勉強ができるあの子にも、もがき苦しんでいる期間があって、ただそこは見えていないから良いところだけが見えてしまう。もちろん得意不得意によって報われない期間に差はあると思いますが、大人も子どもも自分の才能には気づきにくいもの。なかなか割り切ることは難しいです。

自分自身のことを割り切ることって大人でも中々難しいので、せめて親御さんやいつも近くにいる人はこのことをきちんと理解して、段差を乗り越えられずに苦しんでいる子と関わってあげてください。

そして自分自身が段差を乗り越えられずに苦しんでいる場合、まずはできることから始めてみてください。一発逆転の方法があってほしいところですが、残念ながらそんなものはありません。ただ、自分の世界だけで頑張るのも少し違っていて、すごいなぁと思える友達にどうやってやってるの?と聞いてみたり、信頼できる人に相談してみたりすることで、自分の頑張り方を見直すことも大事です。

一回結果が悪かったくらいで失敗だと思わない方がいいです。本当の失敗は改善をしないこととそれ(勉強)自体をやめること。

塾としてどうかと思いますが、僕は生徒に「テストの点数なんてどうだっていい。今回出た課題を次に改善するだけでしょ。」と伝えることがあります。それには、「もうちょっとで段差を乗り越えそうなんだからテストの点数なんかで一喜一憂せずにさっさと乗り越えにいこうぜ」というメッセージを込めています。

人は他人と比較しがちですが、比較は違いを分析して改善するためのもので、優劣に一喜一憂することを僕は比較とは呼びません。それは単なる妬みや驕りです。

自分自身と向き合って、できたこととできなかったことをしっかり理解して、次に向けてできることから改善していく。それだけが次の段差を乗り越える唯一の手段だと思うので、後ろを向きたくなる気持ちを吐き出しつつ、前を向いて頑張っていきましょうね。

自分なんて全然ダメだと思っている人がいたら、今日のお話が届いてくれると嬉しいです。そんな僕もいつも不安と戦いながらもがいたり、時にはネガティブになったりしているので自戒の意味を込めて書きました。

チャレンジして失敗してまた改善してを繰り返して、一歩ずつ成長していきましょう。読んでいただきありがとうございました。また次回を楽しみにしていてください。

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