【考え方編】人は忘れる生き物。忘れることを前提に勉強の仕方を設計しよう。

今日は「人は忘れる生き物。忘れることを前提に勉強の仕方を設計しよう。」というテーマでお話したいと思います。

暗記が苦手な人、物忘れがひどくてそんな自分が嫌だという人へ届いてほしい内容です。今回は考え方編になるので、具体的な勉強方法は別の記事で書いていきます。

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▼ 大前提!人は忘れる生き物です。
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突然ですが質問です。

「2日前の夜ご飯、何を食べましたか?」

暗記の勉強の仕方を生徒に伝えるときにいつも最初にしている質問です(笑)

すると生徒は「えー!なんだっけ?」と少し考えますが、だいたいの子は答えることができません。

これには2つ理由があって、1つめの理由は「そもそも人は忘れっぽい生き物だから」です(笑)

「エビングハウスの忘却曲線」というものをご存知でしょうか。

「エビングハウスの忘却曲線」とは、ざっくり言うと人は覚えた瞬間から物忘れが始まるというもので、どれくらい忘れるかと言うと、

20分後には約42%忘れて、
1時間後には約56%忘れて、
1日後には約66%忘れて、
2日後には約73%忘れて、
6日後には約75%忘れて、
1ヶ月後には約79%忘れる。

これくらい忘れているそうです。2日前のことって約73%も忘れてしまっているんですね。

よく暗記が苦手て覚えようと思っても覚えられないんです。。と悩んでいる子がいますが、そもそも人は忘れる生き物なので、忘れてしまうことを前提に勉強の仕方を考えていこうねと伝えるようにしています。

そして、2つめの理由は「単純作業になっているから」です。

2日前の夜ご飯を答えられない子がほとんどでしたが、この質問を毎日夜ご飯を作っているお母さんにしてみたらどうなるでしょう。

ちなみに私も普段自炊していることが多いのですが、2日前の夜ご飯を聞かれたら頑張れば思い出せます(笑)
#二日前の夜ご飯はおにぎり2個

料理を作る時って、冷蔵庫や冷凍庫の残りを見る→にんじん、タマネギ、鶏肉が残ってる→よしカレーにしよう!みたいにイメージしたりメニューを考えたりして作ると思うので、夜ご飯を思い出す時に、冷蔵庫の残り物などを思い出すことで連想できるんです。
#思い出せなかったお母さんはきっと料理が体に染みついているんだと思う

子どもは今日の夜ご飯のメニューを考えたりしないですよね?笑

少なくとも私が子どもの頃は、夜ご飯は勝手に出てくるものだと思っていました。
#お母さんごめんなさい

勉強に置き換えると何も考えずにひたすら書いて覚えようとしても覚えられないということなので、書くことよりも脳を動かすことを意識した勉強方法が大切です。

何も考えない努力は効果がうすいので、正しい努力の仕方を知って効率よく努力していきましょう。

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▼ 書いた回数ではなく思い出した回数が大事
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では、どのようにして記憶を定着させていけばよいのか、についてお話していきます。

「エビングハウスの忘却曲線」には続きがあって、人は覚えた瞬間から物忘れが始まるものの、2回目に覚える時には1回目ほど時間がかからなくて、覚えてから24時間以内に10分復習すると記憶の定着率は100%に戻り、そこから1週間以内だと5分の復習で100%に戻り、そこから1ヶ月以内だと2~4分の復習でまた100%に戻るそうなんです。

また、記憶が戻るのに時間がかからないということは、忘れてしまう量もだんだん少なくなっていく、ということになります。

つまりたくさん書くことよりも、覚えた回数=思い出した回数を増やす方が効率良く記憶を定着させることができるということです。

「思い出す回数を増やすこと」を目的とするなら、「たくさん書く」は手段です。手には覚える機能なんてついていないので、「たくさん書く」は目的に合った手段とは言えません。

思い出す回数を増やすために必要なのは、努力よりも思い出しやすいような仕組みを作ることなので、覚えられない私はダメだ…と悲観するのではなくて、どうせ忘れてしまうんだからと取り組み方を見直すようにしていきましょう。

具体的な方法は長くなるので別の記事で書いていきたいと思いますが、

暗記は書いた回数ではなく思い出した回数が大事

ということだけは覚えてもらえたら嬉しいです!

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▼ イメージと紐付ける
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「2日前の夜ご飯、何を食べましたか?」

という先ほどの質問ですが、答えられるケースがいくつかあります。

・自分の誕生日だった

・家族でプロ野球観戦をした日だった

・自分の大好物の唐揚げが出た日だった

といったように大事な日や嬉しい日など、印象的な日だった場合覚えていることが多いのではないでしょうか。この場合、2日前と言わず1週間前の夜ご飯でも覚えている可能性が高いですよね。

このように何かと紐付いていると連想することができるので、記憶に残りやすいです。

ノートまとめが大事といって、参考書に書いてあることをそのまま写す子がいらっしゃいますが、それはただ書き写しただけなので単純作業と同じです。

ノートまとめをするときは自分自身に説明してあげるようにまとめるといいです。

私も暗記は大の苦手だったので、「エンピツくん」という架空のキャラを作って、覚えられないものは「エンピツくん」が私に説明してくれるようにまとめていました。

こうすることで、これは「エンピツくん」が説明してくれていたやつだと、連想しやすくなったと思います。

もちろんこれはほんの一例ですが、大事なことは自分が楽しく取り組めることなので、自分自身が一番楽しめるやり方を見つけていけるように取り組んでみてください。

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▼ 最後に
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今回は暗記に関する考え方についてお話してきましたが、最後に暗記や記憶力について個人的な意見を書きたいと思います。

①効率的なやり方はあるけど、結局はやるかやらないか。

②足の速さと同じで、記憶力にも個人差がある。

①については当たり前かもしれませんが、どんなに効率的なやり方があっても、やらなければ覚えることはできません。今回伝えたかったことは、「意味のない努力を努力とは呼ばないよ」ということです。少し残酷に聞こえるかもしれませんが、これが社会のルールです。

野球選手で有名な王貞治さんの明言に「努力は必ず報われる。 もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない」という言葉があります。

もしも、「暗記はただ覚えればいいんだからもっと努力しろ!」と言われて、ただただ何十回も同じことを書き続けるような作業になっていたとしたら、ちょっと待ってと言いたいです。何十回も書くことができる忍耐があるなら、正しいやり方を知って報われる努力になるよう頑張っていきましょう。

②についてはとても大事なことで、物忘れがひどいそんな自分が嫌だという人に知ってほしいです。

例えば、障害で足の機能を失ってしまっている人に対して「なんでもっと早く走れないんだ!」と言う人って絶対いないですよね?骨折しているスポーツ選手に対して「試合に出ろよ!」と言う人もいないと思います。

けれど、視覚障害のある人がぶつかってきた時に「どこ見て歩いてるんだ!」と、心ない一言を言ってしまう人がいたり、ネガティブな人に対して「もっとポジティブになれよ!」と本人の気持ちも考えずに言いたいことを言う人たちがいます。

この違いは何かというと、「みえるもの」と「みえないもの」だと思います。

見えているから仕方がないと判断できるが、見えていないものに対してはその判断ができない人たちがいる。

障害関係なく足の速さには個人差があるし、記憶力にだって個人差がある。当然努力で伸ばせる部分もあるけど、足を失っている人が走る練習ができないように努力しようがない人だっている。

記憶力にも得意不得意があったり、覚えることが極端に苦手な人がいるのは当然のことなのですが、見えない分、それが原因で人に迷惑をかけたり怒られたり自己嫌悪になったりすると思います。

ですが、覚えることができない人の中にも努力のしようがない人が少なからずいるので、覚えることができない自分はダメだと悲観せずに、覚えることができないならどうやって対処をしようかとマインドチェンジすることで、前を向くことができると思います。

正しい努力の仕方を知って(考えて)、たくさん努力をして、それでもどうしようもない部分は対処を考えたり、得意な人を頼ればいい。

誰にでも得意なことと苦手なことがあるはずです。苦手な部分は誰かに助けてもらう分、得意な部分で誰かが困っていたら助けてあげられるような、そんな優しい人になれたらきっと豊かな人生になると思います。

僕もまだまだですが、今まで助けてもらった分、誰かが困っていたら助けられるように頑張ってこれからも勉強したいと思います。お互い頑張りましょう!

今回も読んでいただきありがとうございました。

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